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長い伊万里焼の歴史の中でも最もその作風が華やいだとされる元禄期の頃のものと思われる蓋茶碗。赤と金をふんだんに用いた上絵付にて、満開の桜の木が描かれています。あえて白抜きにした桜の花びらの輪郭線を金で描いており、豪華絢爛な春の姿が感じられます。
この時代の伊万里では明の景徳鎮の金襴手の蓋茶碗の写しも造られており、それと同一もしくは非常に近しい窯の作と考えられます。手元の図録などを参照した限りではこれと同一の作品は見当たらず、非常に珍しい一品となっています。
時代の木箱には「八百」の焼き印が捺されており、よほどの素封家の蔵に納まっていたものかと察せられます。また非常に大事に使われてきたようで、古い時代に共直し・金直しを行った様子があり、またその後に出来た小さなニュウやホツなども見られますが、依然として10客ともお使いいただける状態です。
ぜひこのうつわで春の華やかさを五感で味わい下さい。
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