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中国明末清初期にはたくさんのやきものが日本へと海を越えて渡ってきました。
最もポピュラーなのが古染付で、多種多様な形状と文様の器物に白と青のコントラストが美しいやきものです。厳格な製法を以て完璧を求められた官窯の製品とは異なり、所々に現れた虫食いや奔放な絵付けが日本人の侘びの好みに適いました。
その古染付が作られた景徳鎮周辺よりもさらに南方からは、呉須手と呼ばれる染付半磁器製品が輸入されました。景徳鎮のよりも質の落ちるコバルトを用いて白く濁った白磁胎に絵付けがほどこされ、また焼成技術も未熟なためその絵付けも滲んでいたりします。特に高台内は白化粧を節約したためか黒っぽい土が見え、高台周辺には荒い砂粒が多く付着しているのが特徴です。
日本人の侘びの更なる加速は、やきものとしては古染付よりも質が落ちる呉須手をも好んで受け入れました。
中央に「壽」の文字を据えてその周囲三方に鳳凰を舞わせた図柄は、おめでたい席だけでなく普段使いのうつわとしても適うものでしょう。内１客にソゲがございますが、気にせず使っていただければと思います。あるいは金継ぎも映えるやきものですので、お直しされてもよろしいかと思います。 |
