新潟に生まれる。幼少より漆に親しみ、昭和元年に上京して上野美術学校漆工科に入学。在学中に美術工芸展にて入選。卒業後は各種展覧会に出品のほか、皇室にも作品を納めた。 また漆画・漆版画といったオリジナルの作品を制作し、特に海外に於いて知名度の高い漆芸家である。 白翁は若い頃、当時廣田内閣の外務大臣であった有田八郎を通じて、関西の政財界人やコレクターたちに作品を買い上げてもらっており、この作品もその頃のものと思われる。 内側は蓋・身ともに藤が一枝ずつ添えられている。注文者の家紋に由来するものかもしれない。