島野三秋は金沢出身の漆芸家。きゅう漆を県立工業学校漆工家の鶴田和三郎に、蒔絵を松岡吉平に学んだ。
21歳でシカゴ万博にて受賞して以来、各万博にて出品受賞した。
明治37年に大阪へ移住し、戦前は帝展・文展、戦後は日展などで活躍。独自の青海波塗を得意として枯れた中にも斬新な発想を盛り込んだ作品を発表した。旧そごう大阪店のエレベーター扉の螺鈿細工は有名。
玻瑠(古代ガラス)は、現在の通説では今のシリアの辺りのメソポタミア文明が発祥で、紀元前25世紀ごろにはじまり、それがエジプトなどに伝わっていったとされている。
箱書きによるとこの香合はその古代シリアの玻瑠の破片を象嵌しており、枯れた落ち葉の合間から悠久の時を経たガラスの光が見る角度によって虹色に変化する。内側は銀溜塗。 |